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耕地環境化学ゼミ
(横沢研究室)

#モデリング手法を武器に複雑な生態系を追求

陸域生態系における植物群集の環境応答機構を数理モデルを利用して理解するとともに将来の環境変動に対する挙動を予測するというモチーフで研究を行っています。

研究について

とこ祭:初めにゼミの研究内容を教えてください。

先生:うちのゼミは耕地環境科学ということで、耕地といえば農耕地のことを指しますが、研究対象としてはそれに限らず、森林についてや気候変動で農業生産がどうなるかということについて研究しています。農業生産が影響を受けたときに人々がどのような行動をするのか、影響を低減するために気候変動適応策といった、作物を栽培するときの管理を変えたりするのですけども、そういうその適応策を人々がどのような状況でアクセプトするか、拒否するかといった人間の意思決定のようなことも研究対象としています。対象は非常に幅広くいて、ベースとする手法が同じになっているということがゼミの基本になっていて、その手法というのがモデリングといって、簡単に言うと関数、インプットとアウトプットの間を数式で結ぶようなものなのですけど、それをコンピューターのプログラムで表して、いろんなデータとかを入れて、その農業生産が環境変動でどう変わるかとか人間の意思決定がどう変化するかというのをコンピューターのプログラムを使って、シミュレーションという形で表現するという研究をしています。それでその仕組みを理解したり、予測をしたりするような研究をしています。

とこ祭:他の環境系のゼミとの違いやこのゼミ独自の特徴はありますか?

先生: 太田先生のところとはかなり研究テーマで似ているところが多いですね。ただ太田先生のところは生態学を中心として、データを観測して、という形が多いと思うのですが、うちは本当に観測とか野外のデータ収集はしなくて、太田先生みたいな人が採ったデータを借りてきて、それを解析したりあるいはそのインターネットでデータを収集したりですね、それを総合的に解析したりするので、野外に出るというわけではなく、プログラム作ったりシミュレーションしたり、仕組みを考えたりするということがメインというところですかね。対象としては太田先生と平塚先生とかぶっているところが多いですね。だから、森林生態系とか、農業生態系とかをカバーしている感じですね。

とこ祭:太田先生との共同研究を行なっていると聞きました。

先生:  コロナ禍の前は、太田先生と一緒にゼミをやっていました。一緒に輪読会を行ったり、論文紹介をしあったりするということをしていて、一緒になって一つの大きなゼミになっていましたね。

とこ祭: 学内で他に共同研究を行なっているゼミはありますか?

先生: 学内ではそれくらいですが、学外では 共同研究などをやった先生にセミナーとかに来てもらって、研究トピックを紹介してもらったり、一部学生さんの卒業研究やゼミの研究にアドバイスをもらったりするということはありますね。

とこ祭: 屋内で研究を行うことがメインということですが、ゼミの合宿はありますか?

先生: コロナの前は合宿というか研究旅行に行ったことがありますね。太田先生の研究室と一緒だったのですが、青森県の白神山地に行って、森林生態系を観測したいところがあったので行きました。それから山形大学の農学部の研究室を訪問して、研究テーマの意見交換をするということも行いました。まあ合宿というよりもゼミ旅行のようなものでした笑

とこ祭: ゼミ生さんも行かれましたか?

ゼミ生: はい、行きました。ゼミ合宿の他にも学会にみんなで行ったこともあります。生態学会にも大人数で行ったことがありますよ。

とこ祭: コロナで研究のやりにくさはありますか?

ゼミ生: 研究自体はPCを使ってモデルを立ててシミュレーションするというモデリングをやったり、データを集めて論文を読んだり、という形なので、オンラインでできることも多く、研究に支障はあまりないと思います。あえて挙げるとすれば、このコロナ禍で、(以前は口コミなどで知ることができた)最近のデータや研究動向の雰囲気がわかりにくいということですかね。

ゼミの雰囲気について

とこ祭: ゼミの雰囲気はどうですか?

ゼミ生: ゼミ生は二人と、割と人数の少ないゼミなので密接に活動ができている気がします。先生の研究室でゼミをやることが多いのですが、基本的には直接に相談などやりとりしながら研究ができています。

とこ祭: ゼミのスタイルはどのような感じでしょうか?

ゼミ生: 先学期は輪読のような形で読みつつ、いわゆるコーディングのようなこともやっていましたが、学生さんのやりたいことに方針を合わせつつ、改良途中というところもありますが、そのような形で取り組んでいました。

とこ祭: ゼミ生の方はどのような経緯でこのゼミを志望したのでしょうか?

ゼミ生: もともと私が入った時点では横沢ゼミはなかったのですが、もともと地球関係を扱う太田研究室に興味がありました。中高で植物などに興味があったので、植物の状態や動態が、どのようなルールの下でどのように時間的空間的に変化するのかということを扱いたいと思っていたところに横沢先生がいらっしゃったので、渡りに船ということで今お世話になっています。

とこ祭: 実際入ってみてどうでしたか?

ゼミ生: ゼミに入る前にある程度話はさせていただいていたので、90%くらいはイメージ通りで困ったことは特になかったです。モデルやコーディングなど、実際やってみると泥臭いところもあるので、そこはやっぱり大変なところもあったかなと思います。

とこ祭: ゼミに入って身についた力はありますか?

ゼミ生: そうですね、基本的に、対象によってスケールは違えども、なにか現象というものをひとつ捉えて、それを要するにモデルのような形で構築、ある程度言葉に直したりだとか、組織しなおしたりだとかしてそれの要素を理解していくということをするので、少なくともその現象を捉えるだとか、モデルを自分で作っていくという力は養われるのかなとは思います。あとは学生さんが何をやりたいかで身に付く力は違うと考えていて、私の場合は森林関係を中心に研究していて、その中でモデルを立てるプラスPCを使っていわゆるコーディングを行ったりだとか、少し統計の勉強をしたりしています。

先生: データを見てどういう種類のデータか把握して、データを見た上でコーディネーターの背後に潜んでいる因果関係をどう抽出できるかということを調べる手法を学べるかなと思います。

とこ祭: 統計ソフトを使いますか

先生: そうですね。統計ソフトだったり、そういうモデルを作って因果関係を仮定してデータと合わせてみて、因果関係が正しいか確かめます。

とこ祭: (因果関係は)裏に何が潜んでいるか、ということですよね。

先生: そうそう。統計だけだとわからないから。

ゼミに興味がある学生に向けて

とこ祭: このゼミに向いている人はどのような人でしょうか?

先生: 来て欲しい人は、とにかくなんでも興味を持っている人、「私はこれをやりたい!」という強い気持ちや確固とした目標があってもいいのですが、たいていそういうのはうまくいかないこともあるので、そういうときにも違うテーマに手を出してやってみたりすると、自分のやりたいテーマのヒントになったりするので、基本的に広い視野を持っていて好奇心の旺盛な人がいいと思います。

とこ祭: 私は文系で数学的な思考に苦手意識があるのですが、私のような人が志望してもついていけますか?

   

先生: 私は早稲田に来て4年くらいですけど、ゼミに入ってこられた学生さんでももともと文系で数学が得意じゃないという学生さんもいましたよ。

とこ祭: そうなのですか。

先生: まあでもそんなに困らないと思いますよ。モデルとか言っていますけど、そんなに難しい数学も使ってないし、早稲田に入れるくらいの学力があるなら別に問題はないかなと思います。入ってからアフターケアはしますし。

とこ祭: 文系の学生がゼミを志望するにあたって、なにか身につけた方がいうスキルなどはあるのでしょうか?

先生: 今必要なのはデータリテラシーの力だと思います。データをどのように統計的に扱うことができるか、データをどのように見るか、という力を1年生や2年生の間に勉強したらいいと思います。それはどの研究室にも言えることかもしれませんが笑

   

とこ祭: ゼミ卒業生の進路を教えてください。

先生: 卒業生は2人しかいないのですが、Nikonという会社のシステムエンジニアリングの道に進んだ人と、食品関係の会社で営業関係に就いている人がいます。

ゼミ生: 本人が営業系に興味があったので、水産系の営業の方に回っているそうです

とこ祭: ゼミの強みはどこにありますか?

ゼミ生: 現状人数が少ないので、綿密な指導ができるので、もし心配なことがあれば気軽に相談できるという強みがあると思います。

とこ祭: 興味がある学生はどうしたらよいですか?

ゼミ生: まずは横沢先生と直接話してみたらよいと思いますよ。もちろん授業を介してもよいですし、ゼミを見に来てもよいと思います。

先生: ホームページにエントリーフォームがありますから、そちらで希望する日時を指定してもらえばいつでも対応します。

とこ祭: 最後に今後のゼミをどうしていきたいか教えてください。

先生: そうですね、いろんなそのテーマというか現象を対象としているのが生態系なのでさっき言ったように、自然科学的な問題もある社会科学的な問題もありますしね、人間が関わっていますから、まさにこの人間科学部的な研究テーマをやっているので、いろんな学生さんに来てもらいたいですね。だから、最初の話にもありましたけど理系だけではなくて文系の方にも、本当に入ってからアフターフォローはしますから、気にしないで入って来ていただきたいなと思います。これは宣伝ではないですけど、例えば大学院で研究していくにしても社会に出るにしても、数学的な考え方や論理的な考え方というのが重要になってくると思います。他の研究室でもそうだと思いますが、うちの研究室ではモデルを立てることや仮説を立てたりすること、それを検証したりする、それを検証するためにそのデータをサンプリングする必要があったりするということで、いろんなスキルがゼミや卒業研究に取り組む中で身に付くと思いますよ。 ぜひ飛び込んできてもらいたいと思います。